キリスト教センターとは
学校法人聖路加国際大学 キリスト教センター(St. Luke’s International University Center for Christianity and Spiritual Care)は、聖路加国際大学の基盤となるキリスト教の愛の精神を具現化する役割を担います。教育現場においてはキリスト教概論、倫理などの教育に取り組み、医療現場においてはキリスト教チャプレン(専任聖職者)がスピリチュアルケアの専門家としてそれぞれの医療部のチームに加わり、患者さんやご家族へのスピリチュアルニーズを視野に入れた「全人的医療」に取り組んでいます。これ以外にも、種々の礼拝と祈りの機会や音楽プログラムを主催するなど、イエス・キリストとの出会いをサポートしています。
学校法人聖路加国際大学の
「キリスト教精神」
キリスト教は宗教というよりも一つの「生き方」であるため、「キリスト教精神」を一言でまとめることはやや難しいです。その精神の一つの大事な要素として、聖書による人間理解が挙げられるでしょう。聖書によれば、人間は創造主である神によって造られた尊い存在であり、掛け替えのない命を授かっているため、侵害してはいけない尊厳を持っている、と強調されています。近代思想や民主主義や人権の発想も、また現代医療におけるインフォームドコンセントの原則などもこの聖書の人間理解に由来しているものです。
キリスト教精神のもう一つの大事な要素として、イエス・キリストが説き明かされた隣人愛があります。イエスさまは、人生で最も大切なことは全身全霊で主なる神を愛することと「隣人を自分のように愛すること」と教え、教会ではその愛がすべての行動の基準として位置づけられています。
イエス・キリストの隣人愛の特徴は、相手の人種、国籍、性別、宗教心などを問わず、目の前に困っている人が己の隣人であり、己の思いやりとケアの対象となる、ということです。現代病院の概念そのものがこの隣人愛の実践から生まれたものです。聖路加国際病院の理念もこの隣人愛を取り上げています。
「キリスト教の愛の心が人の悩みを救うために働けば、苦しみは消えて、その人は生まれ変わったようになる。この偉大な愛の力をだれもがすぐわかるように計画されてできた生きた有機体がこの病院である。」
聖ルカ礼拝堂
1936年竣工。学校法人聖路加国際大学に附属する施設であり、日本聖公会東京教区に属する礼拝堂でもある。設計者はバーガミニ、フォイアシュタイン、スワガー各氏。施工は清水組(現 清水建設)。礼拝堂およびステンドグラスはバーガミニ氏がデザインし、英国ペリキントン社に依頼、別府ステンドグラス製作所が組み立てた。
近代ゴシック様式による鉄筋コンクリート造りで、各柱は人造石貼り、天井や壁体は抗火石貼り、床はイタリア産のトラバーチンおよび大理石を混ぜて貼り、一部は楢板張り。
ドイツ・バロック様式のパイプオルガンはマルク・ガルニエ氏製作で、高さ約13メートル、パイプ総数2077本、ストップ数30。十字架の塔から一日三回、カリヨン・チャイムにより聖歌のメロディが流れる。
1936年竣工当時の礼拝堂は病院の中心に位置し、上階の各病棟から祈ることができるようにバルコニーがデザインされた。創設者トイスラー精神を受け継ぐ次世代の医療人の教育のため、そして、祈り・慰め・癒し・祝福を求める全ての方のため、キリスト教の愛を示し続ける使命を担う。
動画で見る聖ルカ礼拝堂
聖ルカ礼拝堂にまつわる略年表
- 1901年(明治34)米国聖公会宣教医師トイスラー博士により聖路加病院創立
- 1912年(明治45)病院内に小さな礼拝堂の設置
- 1920年(大正9)聖路加国際病院附属高等看護婦学校設立
- 1923年(大正12)関東大震災により建物倒壊
- 1924年(大正13)仮病院竣工
- 1925年(大正14)仮病院の火災、礼拝堂完成感謝聖餐式
- 1933年(昭和8)新病院(現在の旧館)竣工
- 1934年(昭和9)トイスラー院長逝去
- 1936年(昭和11)12月13日聖ルカ礼拝堂聖別式
- 1937年(昭和12)ハモンドオルガン設置
- 1945年(昭和20)敗戦により米陸軍が建物全てを接収
- 1956年(昭和31)本館接収解除、返還記念礼拝、塔上十字架奉献式
- 1965年(昭和40)聖ルカ礼拝堂聖歌隊創立
- 1988年(昭和63)パイプオルガン設置
- 1990年(平成2)オルガン委員会設立
- 1992年(平成4)新病院(現在の本館)の完成、礼拝堂は旧館に保存
- 1994年(平成6)再開発工事のため礼拝堂閉鎖
- 1997年(平成9)礼拝堂で聖餐式を再開
- 1999年(平成11)東京都選定歴史的建造物に指定
- 2014年(平成26)大学と病院の法人一体化、キリスト教センター設置
- 2018年(平成30)6月保存改修工事のため礼拝堂閉鎖
- 2020年(令和2)8月新型コロナウイルス感染症の影響を受け工事中断
- 2021年(令和3)11月工事着工
- 2023年(令和5)3月20日礼拝堂竣工 、引渡し式
- 2023年(令和5)4月9日礼拝堂再開、イースター礼拝
- 2023年(令和5)4月28日竣工記念礼拝
トイスラー記念ホール
聖ルカ礼拝堂では、信徒であるかないかにかかわらず全ての方を対象とした、様々な形式の祈り=礼拝を行っています。
「祈りの場」として、二つの空間があります。いずれも日中開放されており、個人で自由に祈ることができます(行事などにより使用中のこともあります)。
二つのチャペルで行われる礼拝には、どなたでも参加できます。
礼拝のご案内はこちらをご覧ください。
聖公会と聖路加
聖路加の創立者であるルドルフ・トイスラー博士は米国聖公会から日本に派遣された宣教医師でした。
聖公会とは、英国国教会にさかのぼる、世界で3番目に大きな伝統的キリスト教会です。カトリック教会とプロテスタント諸教会との間の「ブリッジ・チャーチ」(架け橋の教会)と言われることもあります。現在、165カ国以上に広がる36の独立した管区に、8500万人近くの信者がいます。
トイスラー先生は1900年に23歳で来日して、診療所を開設し病院に発展させました。関東大震災や火災などさまざまな困難にめぐり合いましたが、米国の教会などから支援を得て一つ一つの問題を乗り越えました。1933年、当時「アジア第一の近代病院」が建てられ、トイスラー先生が熱望していたチャペルはその中の施設として1936年に完成しました。
今も、聖公会とのつながりを大事にしています。キリスト教センターの主任チャプレンは日本聖公会の司祭が務め、聖ルカ礼拝堂は日本聖公会東京地区に所属しています。
聖路加(セイルカ)の「ルカ」とは
「聖路加」の正しい読みはセイルカとなります。これは聖ルカという聖人の当て字です。ルカは、新約聖書にあるパウロの手紙では「愛する医者ルカ」(コロサイ4:14)と呼ばれていることから、パウロの宣教旅の同伴者であり医者であったことが分かります。ルカは歴史家でもあって、新約聖書の「ルカによる福音書」および「使徒言行録」を執筆し、数々の資料や当事者とのインタビューをもとに、イエス・キリストの生涯および初期教会の歴史を書き残しました。イエス・キリストによる世界の救済を宣べ伝えた医者ルカにちなんで世界中の多くの病院や医学部・看護学部が名付けられています。
聖書を学ぶ会
どなたでも自由に参加できますので、
お気軽にお越しください。
聖書を学ぶ会
新約聖書
第1・3木曜 10:00-11:30
旧約聖書(関 正勝司祭)
第2・4火曜 17:30-18:45
音楽イベント
患者さんもスタッフも、どなたでもご参加いただけます。
いずれも入場無料、出入りはご自由です。
パジャマ姿・車いす・ベビーバギー・ベッドごとお入りになれます。
≪アドヴェント・オルガン≫
- ■日時
- 2023年
12/14(木) 12:45~13:00、17:45~18:00
12/18(月) 12:30~12:45、15:45~16:00、18:00~18:15
12/22(金) 11:30~11:45、14:30~14:45
*各回約15分
*事前の予約不要
*出入り自由 - ■場所
- 聖ルカ礼拝堂(聖路加国際病院 旧館2階)
- ■演奏
- 高橋博子(学校法人聖路加国際大学オルガニスト)
お問い合わせ
学校法人聖路加国際大学
キリスト教センター
〒104-0044 東京都中央区明石町10-1 旧館2F
TEL:03-5550-2416
お問い合わせ時間:平日9:00~17:00
聖路加国際病院1階総合案内や医療スタッフにお声をかけて、ご連絡いただけます。